11/16、火曜日。
午前中、起業時からお世話になっている税理士さんを訪問。税理士、特定社会保険労務士、中小企業診断士、行政書士、CFP…ご自身のtwitter自己紹介欄でも「難関資格オタク」「仕事が唯一の趣味」と書いているが、頭が抜群にキレて、人間味があって、ビジネスアイデアをたくさん出してくれる、ありがたい存在。現状報告と今後のご相談、アイデアブレストにお付き合いいただく。感謝。
そしてこの方自身の今後のビジネス案も聞き、なるほどうまいこと考えるなぁと感嘆。
1)ビジネスアイデアは、ジェームス・W・ヤングが名著『アイデアのつくり方』で書いた通り、既存の要素の組み合わせ以外の何ものでもない
2)優れたビジネスは、アイデアをブラッシュアップさせ、関係者全員がハッピーになり、利益が継続してあがるモデルである
という2点を再確認。
喫茶店にこもってセミナーアンケート集計。
立教大学『仕事研究セミナー』は学年不問で行っているが(「仕事の実態を理解する」ことに早い遅いは関係ないから。「仕事」を意識したとき、「知ることができる場」がある状態に意味がある。そして授業の妨げにならぬよう夜開催、念のため)毎回、1,2年生が20~30名も参加してくれる。自由記述も、1,2年生がかなり熱っぽい、長いコメントを書いてくれる。
本屋に立ち寄り、企画に関するビジネス本を購入。
この類の本、社会人初期は読んだだけで仕事ができる気になり、しばらくすると、結局自分で考えて実行しないと意味ないじゃんと思い、最近は、いやそれは違うでしょ、うんうん、それは同意見、と対話のために定期的に一定量を読んでいる。
池袋へ移動。立教大学『仕事研究セミナー ~知られざるNo1企業の仕事~』を開催。“No1”がある、成長企業やBtoB企業など4社への公開インタビュー。学生満足度はとても高かった。
終了後、何人かが質問にくる。毎回同じで「どうすれば伊藤さんのような質問ができますか?」。キャリアセンターの方からも「質問ができるようになる、社会人から話を引き出す、という趣旨のセミナーをやったらたくさん集まるでしょうね」と言っていただく。考えてみようかな。
参加企業の皆さんと懇親会。紹介してもらった居酒屋で、魚が美味しかった。
自社、社員、仕事に誇りをもち、ゆえに他社(者)を尊重する、という価値観をきちんともって懸命に仕事をしている方と深くコミットし、同じ目標達成に向かって走る。
改めて心に刻み込む。
24時くらいに戻ってきたのだが、同じ電車で帰ってきた方が「伊藤さん、僕もここで降りるので、もう1軒付き合ってください」と言われ、地元のお店に行く。いつも通り、無礼なことをたくさん言ってしまったな。結構、深い時間に帰宅。
2010年11月17日水曜日
2010年11月15日月曜日
夜討ち朝駆け
11/15、月曜日。
午前中、立教大学セミナーのアンケート集計。「SE職」「営業職」の回の自由記述を打ち込んでいたのだが、「SE」って「理系が就く仕事」「プログラミングをする仕事」のイメージが強いんだね、学生にとって。「コミュニケーション力が求められる仕事ということに驚きました」の声が多かった。「営業」の回は、前回の池袋キャンパス開催時と同様「話す力よりも、聞く力が大切だというのが意外でした」が多数。そういえば、セミナーである方が「聞く、の次は、聞く。そしてその次は、訊く」と話していた。なるほど。
アンケートをまとめながら、改めて「学生」と「仕事」の距離を近づけることに意味があると実感。
夕方、日本経済新聞社の某編集部デスクと打合せ。ご相談を数点。「良ければ、打合せした後にご飯行きましょう」と言って頂いていたので、オススメのカレー屋さんへ行く。美味しい。
大学内セミナー終了後に「OBOG訪問でどうすればうまく質問ができますか?」と聞きに来る学生が多くいるのだが、やっぱり「自分が素直に聞きたいことを聞く」のが一番だと思う。今日も楽しくデスクに話を聞いていたのだが
・本紙(日経新聞)から現在の編集部(週間発行)に異動して働き方は変わったか
・夜討ち朝駆けって今でもあるのか
・新聞社の編集部って、骨太い男の職場、みたいなイメージがあるが実際はどうか
・怒鳴ると若手は辞めちゃうのか
・購読者数と広告数の推移はいかがなものか
・優秀な新聞記者とそうでない記者の差は何か
・最近はお休みの日は何しているのか
そんなことを聞いていた。ぜんぶ「自分が聞きたいこと」であり、その元は、相手と、相手の仕事に対する好奇心なんだろうなと思う。自分よりも一回り年上で、違う時代を過ごし、違う仕事に励み、違う価値観をもっていて、違う人生を歩んでいる相手への好奇心。私は私の人生しか歩むことができないから、人の人生を聞くのが楽しい。その中心を占める、仕事の話を。
「サービスタイム18:00~20:00、ビールは何杯飲んでも1杯100円」というステキなお店だったので、調子に乗って飲んでしまった。地元の駅に帰ってきてから、数々の誘惑にかられながらも「まだ月曜日!今週は飲み会たくさんあるから!」と自分に言い聞かせて、まっすぐ帰宅。
午前中、立教大学セミナーのアンケート集計。「SE職」「営業職」の回の自由記述を打ち込んでいたのだが、「SE」って「理系が就く仕事」「プログラミングをする仕事」のイメージが強いんだね、学生にとって。「コミュニケーション力が求められる仕事ということに驚きました」の声が多かった。「営業」の回は、前回の池袋キャンパス開催時と同様「話す力よりも、聞く力が大切だというのが意外でした」が多数。そういえば、セミナーである方が「聞く、の次は、聞く。そしてその次は、訊く」と話していた。なるほど。
アンケートをまとめながら、改めて「学生」と「仕事」の距離を近づけることに意味があると実感。
夕方、日本経済新聞社の某編集部デスクと打合せ。ご相談を数点。「良ければ、打合せした後にご飯行きましょう」と言って頂いていたので、オススメのカレー屋さんへ行く。美味しい。
大学内セミナー終了後に「OBOG訪問でどうすればうまく質問ができますか?」と聞きに来る学生が多くいるのだが、やっぱり「自分が素直に聞きたいことを聞く」のが一番だと思う。今日も楽しくデスクに話を聞いていたのだが
・本紙(日経新聞)から現在の編集部(週間発行)に異動して働き方は変わったか
・夜討ち朝駆けって今でもあるのか
・新聞社の編集部って、骨太い男の職場、みたいなイメージがあるが実際はどうか
・怒鳴ると若手は辞めちゃうのか
・購読者数と広告数の推移はいかがなものか
・優秀な新聞記者とそうでない記者の差は何か
・最近はお休みの日は何しているのか
そんなことを聞いていた。ぜんぶ「自分が聞きたいこと」であり、その元は、相手と、相手の仕事に対する好奇心なんだろうなと思う。自分よりも一回り年上で、違う時代を過ごし、違う仕事に励み、違う価値観をもっていて、違う人生を歩んでいる相手への好奇心。私は私の人生しか歩むことができないから、人の人生を聞くのが楽しい。その中心を占める、仕事の話を。
「サービスタイム18:00~20:00、ビールは何杯飲んでも1杯100円」というステキなお店だったので、調子に乗って飲んでしまった。地元の駅に帰ってきてから、数々の誘惑にかられながらも「まだ月曜日!今週は飲み会たくさんあるから!」と自分に言い聞かせて、まっすぐ帰宅。
2010年11月13日土曜日
立教大と法政大と
11/8、月曜日。
会社説明会のファシリテーションをさせていただく某社と打合せ。
「学生」と「仕事・企業・社会人」を「ファシリテーション」を通じて近づける、と自分の仕事領域を設定して動いている起業1年目なのだが、横浜国大や立教大学のように、大学さんと組んで学内セミナー(社会人パネルディスカッション)をやるほか、企業の単独説明会におけるファシリテーションもやらせて頂いている。学生が知りたい「仕事や企業のホントのとこ」を私が「社員インタビュー」を通じて引き出し、学生に理解してもらう仕事なのだ。「上辺のいいところだけでなく、学生に誠実に向き合う」会社だからこそ、私のような「ぶっちゃけたところ、教えてください」スタンスのファシリテーションにニーズがある。今のところ、今年は2社計24回の説明会に関わる予定。
11/9、火曜日。
昨年、日経産業新聞に新卒採用に関するコラムを連載した際にもお世話になった、日本経済新聞社の某デスクに連絡。退職時にも「落ち着いたら食事行きましょう」と言っていただいていたのだが、先方もお忙しいので、連絡をするタイミングを逸していた。ちょっと、ご相談したいことがあり、携帯に連絡すると「では来週、夕方打合せして、良ければそのままご飯行きましょう」と嬉しいお誘い。感謝。
そういえば、新聞連載の際に感動したのが、この方の文章力。
メールを送って数分後には、赤入れして、数段分かりやくなった文章がFAXで返ってくる。新聞記者を新聞記者たらしめる能力は多数あるのだろうが「分かりやすい文章を早く書く」ことは必須なんだろうな。ちなみにこの方とは、何度か晩ご飯を食べに行ったことがあるが、お酒を飲まない。聞くと、私と食事をしてからも社に戻って、終電までか、日によっては1時、2時まで、朝刊の仕事をするそうだ。何気なく手にしている朝刊も、多数の方々の「作品」なのだ。
夜は立教大学『仕事研究セミナー』。テーマは「営業職の意気と苦悩」。営業出身、現・採用担当4名の方によるパネルディスカッション。具体的な仕事内容、大変さと喜び、営業職に必要な力、ノルマ(って言葉を使う会社はほぼないけど。数字目標のこと)、接待、そんな、学生が気になることを誠実に話して頂く。アンケートでは「営業は大変、というイメージは変わりません。でも、大変だからこそやりがいがある、ということがわかりました」という声多数。分かってくれて良かった。
ちと、反省することがあり、帰りに地元バーへ立ち寄り。
久しぶりにお会いした、グローバルメーカーの総務部長と、マスターと、男3人でまったり。
11/10、水曜日。
外出無。ほぼ1日、前日のアンケート集計。アンケート提出者、326名が書いてくれた一言一句を、すべて出演企業と大学にフィードバック。満足度は高くて嬉しいが、残念なコメントも数件。その矛先が出演企業に向いていて悩んだが、原文のまま記載。私ができること、すべきことは、ネガティブな声を「なかったこと」にするのではなく、「正しく出演企業に届けること」。次回に向けた改善を考える。
11/11、木曜日。
法政大学キャリアデザイン学部の某ゼミ見学。先日、あるシンポジウムでこの先生の話を聞き、感銘し、初対面で不躾ながらその場でゼミの見学依頼をしたところ、許可をいただいたのだ。それにしても、1年生って元気だね。特に女子。彼女たちを見ていると、無敵なんじゃないかとすら思う。
見学後、先生の部屋で、教員が学生にすべきこととか、日本の新卒採用に対する率直な意見とか、現場への実影響とか、人材ビジネスとか、いろいろ情報交換。先生は「採用で勉強の邪魔をしないでほしい」と思いながらも、ゼミ生のために、就活シーズン中はゼミのカリキュラムをストップし、就活対策に充てているらしい。真剣に学生と向き合っている教員の方の“思い”を初めてじっくり聞き、貴重だった。学生一人ひとりと向き合う、このような先生が多く生まれ、「大学教員、職員による学生評価」と「企業の採用選考時の学生評価」の接続を密接にしていくことに、「誰も得をしない」現在の新卒採用システムの未来がある気がしてならない。
あっという間に時間が過ぎ、昼ご飯を食べ逃す。
立教大学へ移動し、『仕事研究セミナー』。この日のテーマ「SE職の意気と苦悩」。出演者の話を聞いて、SE職に求められる力、仕事の実態が「コミュニケーション」であることに驚いた学生が多くいた様子。文系もOK、って話にも。仕事の実態を知るのは大切。だからこそ、営業志望の学生にももっと来てほしかったな。
11/12、金曜日。
立教大学『仕事研究セミナー』。この日は新座キャンパス。テーマは「営業職の意気と苦悩」。営業職に必要な力を質問したところ「聞く、聴く、そして、訊く」との答えがあったのが印象的。営業マン教育も勤めていたこの方のお話が大好きだ。「倒れる時は前向きに!顔から落ちろ!」と教えてくれた方の、師匠でもあるのだ。
セミナー終了後、学生数人から質問を受ける。「いま、私が知らない優良企業の見つけ方を教えてください」と聞かれたので、1.来週のこのセミナーに参加する(テーマ「知られざるNo1企業の仕事」) 2.企業HPの「主要取引先」を辿っていく 3.合説や学説で人がいないブースばかり巡る、とアドバイス。それにしてもしっかりしてる学生だったな。
アルバイト学生と最終のスクールバスにのり、池袋までいろいろ話す。がんばれ、恋。
帰りに、記録としても残るから、日記としてブログを書いてみようかな、と思う。
会社説明会のファシリテーションをさせていただく某社と打合せ。
「学生」と「仕事・企業・社会人」を「ファシリテーション」を通じて近づける、と自分の仕事領域を設定して動いている起業1年目なのだが、横浜国大や立教大学のように、大学さんと組んで学内セミナー(社会人パネルディスカッション)をやるほか、企業の単独説明会におけるファシリテーションもやらせて頂いている。学生が知りたい「仕事や企業のホントのとこ」を私が「社員インタビュー」を通じて引き出し、学生に理解してもらう仕事なのだ。「上辺のいいところだけでなく、学生に誠実に向き合う」会社だからこそ、私のような「ぶっちゃけたところ、教えてください」スタンスのファシリテーションにニーズがある。今のところ、今年は2社計24回の説明会に関わる予定。
11/9、火曜日。
昨年、日経産業新聞に新卒採用に関するコラムを連載した際にもお世話になった、日本経済新聞社の某デスクに連絡。退職時にも「落ち着いたら食事行きましょう」と言っていただいていたのだが、先方もお忙しいので、連絡をするタイミングを逸していた。ちょっと、ご相談したいことがあり、携帯に連絡すると「では来週、夕方打合せして、良ければそのままご飯行きましょう」と嬉しいお誘い。感謝。
そういえば、新聞連載の際に感動したのが、この方の文章力。
メールを送って数分後には、赤入れして、数段分かりやくなった文章がFAXで返ってくる。新聞記者を新聞記者たらしめる能力は多数あるのだろうが「分かりやすい文章を早く書く」ことは必須なんだろうな。ちなみにこの方とは、何度か晩ご飯を食べに行ったことがあるが、お酒を飲まない。聞くと、私と食事をしてからも社に戻って、終電までか、日によっては1時、2時まで、朝刊の仕事をするそうだ。何気なく手にしている朝刊も、多数の方々の「作品」なのだ。
夜は立教大学『仕事研究セミナー』。テーマは「営業職の意気と苦悩」。営業出身、現・採用担当4名の方によるパネルディスカッション。具体的な仕事内容、大変さと喜び、営業職に必要な力、ノルマ(って言葉を使う会社はほぼないけど。数字目標のこと)、接待、そんな、学生が気になることを誠実に話して頂く。アンケートでは「営業は大変、というイメージは変わりません。でも、大変だからこそやりがいがある、ということがわかりました」という声多数。分かってくれて良かった。
ちと、反省することがあり、帰りに地元バーへ立ち寄り。
久しぶりにお会いした、グローバルメーカーの総務部長と、マスターと、男3人でまったり。
11/10、水曜日。
外出無。ほぼ1日、前日のアンケート集計。アンケート提出者、326名が書いてくれた一言一句を、すべて出演企業と大学にフィードバック。満足度は高くて嬉しいが、残念なコメントも数件。その矛先が出演企業に向いていて悩んだが、原文のまま記載。私ができること、すべきことは、ネガティブな声を「なかったこと」にするのではなく、「正しく出演企業に届けること」。次回に向けた改善を考える。
11/11、木曜日。
法政大学キャリアデザイン学部の某ゼミ見学。先日、あるシンポジウムでこの先生の話を聞き、感銘し、初対面で不躾ながらその場でゼミの見学依頼をしたところ、許可をいただいたのだ。それにしても、1年生って元気だね。特に女子。彼女たちを見ていると、無敵なんじゃないかとすら思う。
見学後、先生の部屋で、教員が学生にすべきこととか、日本の新卒採用に対する率直な意見とか、現場への実影響とか、人材ビジネスとか、いろいろ情報交換。先生は「採用で勉強の邪魔をしないでほしい」と思いながらも、ゼミ生のために、就活シーズン中はゼミのカリキュラムをストップし、就活対策に充てているらしい。真剣に学生と向き合っている教員の方の“思い”を初めてじっくり聞き、貴重だった。学生一人ひとりと向き合う、このような先生が多く生まれ、「大学教員、職員による学生評価」と「企業の採用選考時の学生評価」の接続を密接にしていくことに、「誰も得をしない」現在の新卒採用システムの未来がある気がしてならない。
あっという間に時間が過ぎ、昼ご飯を食べ逃す。
立教大学へ移動し、『仕事研究セミナー』。この日のテーマ「SE職の意気と苦悩」。出演者の話を聞いて、SE職に求められる力、仕事の実態が「コミュニケーション」であることに驚いた学生が多くいた様子。文系もOK、って話にも。仕事の実態を知るのは大切。だからこそ、営業志望の学生にももっと来てほしかったな。
11/12、金曜日。
立教大学『仕事研究セミナー』。この日は新座キャンパス。テーマは「営業職の意気と苦悩」。営業職に必要な力を質問したところ「聞く、聴く、そして、訊く」との答えがあったのが印象的。営業マン教育も勤めていたこの方のお話が大好きだ。「倒れる時は前向きに!顔から落ちろ!」と教えてくれた方の、師匠でもあるのだ。
セミナー終了後、学生数人から質問を受ける。「いま、私が知らない優良企業の見つけ方を教えてください」と聞かれたので、1.来週のこのセミナーに参加する(テーマ「知られざるNo1企業の仕事」) 2.企業HPの「主要取引先」を辿っていく 3.合説や学説で人がいないブースばかり巡る、とアドバイス。それにしてもしっかりしてる学生だったな。
アルバイト学生と最終のスクールバスにのり、池袋までいろいろ話す。がんばれ、恋。
帰りに、記録としても残るから、日記としてブログを書いてみようかな、と思う。
2010年10月14日木曜日
就職ガイダンス講演 テーマ『自分就活』
テーマ『自分就活』
1.就活はあなたのもの
a.就活はあなたのもの。マナーはあるがルールはない。やり方に正解はない。
b.ケース
・3日で4人の社長と会い、3社から内定して1週間で就活を終了した、関西の人気就職コンサルタント。
・学生結婚。憧れのマスコミ就職を4年生の年明けに諦め、3月に内定した人気キャリアコンサルタント。
・100人の社会人訪問をしたA君の作戦は「OB訪問したら、イケてる社会人を毎回紹介してもらう」。丁寧な手書きのお礼状。内定後も継続して社会人訪問。
・居酒屋で突撃社会人訪問をしていたB君。ポイントは「見た目よりも、ちょっと上の役職名で話しかけること」。
・リクナビが有料だと思い込み、登録していなかったC君は部活の先輩ルートで就活。今や、食品会社の若手の営業エース。
・30歳、博士課程修了者D君の就活。過去の研究との別れを覚悟し、今、22歳と一生懸命働いている。
c.私の就活
・電車で見る、死んだ目のスーツ姿の人たちを見て「こうはなるまい」
・就活前に、バックパックという名の中国逃亡
・ダメ就活生。イベント抜けだし、出会ったメンバーと飲み会へ。5名の会社に拾っていただいた。
2.就活
a.就活環境
・法人は200万社以上、就職ナビ掲載2万社、知っているのは100~300社。
・就活生45万人、大手企業の採用枠は3~7万人。
・人気企業は5万人が応募。
・就職難はバランスの問題。求人はある。
・学歴差別、女子差別。就職ナビ掲載の採用実績校よりも、キャリアセンタ―で就職実績を確認する。
b.就活は成長するきっかけだらけ
・異質との出合いに巻き込まれていこう。
・学生特権「叱られる」。転び方を学ぶ。擦り傷が皮膚を強くする。
c.就活関係者の活用法
・就活仲間をつくる。情報共有と生き方議論。孤立とWEBだけ就活の非生産性。
・キャリアセンタ―は、採用担当者と数多く会っている。掛け値なしに皆さんの支援が第一義。
・親、兄弟、バイト先の社員など身近な人が「誰とどのような仕事をしているのか」を把握する。
・先生は人生の先輩。大学教授という仕事を理解してみる。顧客は誰か、目標はあるか。
・内定者の話はあくまで参考程度に。「○○を言ったら(書いたら)採用される」方程式はない。
・就職ナビと就職イベントは広告。企業にとっての自己PR。自己PRのコツを学ぶ。メインナビに加え、自分のお気に入りナビを見つける。
・就職イベント、ぽつんと佇む誰もいない企業が実は優良企業なんてことも。熱心に自分のために時間を割いてくれる。
・みん就、2ch など、無記名情報に振り回されない。
・twitter で採用担当者の人となりが見えることがある。
3.仕事
a.PDC(A)と社会人基礎力
・新人研修で必ず教わるPDC(A)サイクルを就活中に実践する。根っこにある「就活の目的」を履き違えない。ウソついて入社すると、その後しんどい。
・自分の社会人基礎力を定点観測し、アルバイト先や親からの評価ももらってみる。
b.企業が採用するのは仕事ができる人
・面接が上手い人ではなく、仕事ができる人。厳密には、仕事が「できそう」な人。中途:実績、新卒:可能性。
・仕事の成果=能力×やる気。能力は伸ばせる。やる気は風土と相性。
・面接官は、過去の事実で能力の伸びしろをはかり、面接の受け答えでやる気の継続性を推測する。
・あなたの経験は、あなたしか経験していないこと。特に何もやっていなかった、と自信をなくす必要はない。
・求める人物像「コミュニケーション能力」ばかりが目立つのは、仕事の多くがコミュニケーションで成り立つから。コミュニケーションとは、論理と気持ちのキャッチボール。
4.企業
a.企業とは
・企業の第一義は「顧客の課題解決で利益を生みだす」
・納税し、国を通じて医療や教育へ再分配。利益こそ社会貢献。
・利益を増やすには、売上あげるかコストを下げる、の2通りしかない。志望職種はどちらに寄与する仕事か。
・「誰に、何を、どのように」提供して利益をあげているのか=ビジネスモデル
b.志望企業の取引先が言えますか?
・企業と企業の「繋がり」を知る。業界マップではなく、企業つながりマップをつくり、志望企業まで辿りついてみる。寄り道万歳。
・業界内同士はライバル。取引先、仕入先は入社後に直接関わる人たち。知っておいて損はない。
c.個人と企業
・安定は、企業が与えてくれるものではなく、自分でつくるもの。安定のために必要なのは挑戦という矛盾。
・企業選びは買い物じゃない。あなたのために会社があるのではなく、顧客のために会社はある。あなたのためだけに会社があるわけではないが、会社のためだけにあなたも生きるわけではない。
・理念、ビジョンを共有してこそ、一生懸命働ける。
5.扉は開く
a.努力と成果が相関しない
・「頑張っても報われないことがある」それを知り、経験することは、強くなるための通り道。強さとは他人への優しさ、温かさ。
・就活=恋愛論の所以。恋愛充実者は就活に困らないという仮説。終わったことは忘れて次にいくしかない。
・人生で初めて、短期間に「落とされ続ける」そして「理由がわからない」というストレス体験。息抜き上手になる。
b.キャリアは他人のためのもの
・自分だけの幸せは小さいもの。誰かに貢献することが幸せ。
・キャリアは振り返ればできている。目の前のことを一生懸命やるだけ。人生の転機におこなうのはキャリアチェンジであり、アップもダウンもない。
・活躍人材こそ、成果の見えづらい雪かきのような仕事をしている。履歴書には書かれない「手伝いましょうか?」を言える人に仕事が集まる。キャリアが生まれる。
c.扉は開く
・覚悟がすべて。自分で考え、行動し、決める。決めた道を自分で正解にする。
・諦めなければ、扉は開く。
6.推薦本
・『くたばれ!就職氷河期』(常見陽平氏。光文社新書)
・『就活革命』(辻太一朗氏。NHK出版生活新書)
・『<就活>廃止論』(佐藤孝治氏。PHP新書)
・『就活のバカヤロー』(石渡嶺司氏・大沢仁氏。光文社新書)
・『街場のメディア論』(第一講「キャリアは他人のためのもの」)(内田樹氏。光文社新書)
・『できる会社の社是・社訓』(千野信浩氏。新潮新書)
・『腐った翼 JAL消滅への60年』(森功氏。幻冬舎)などビジネスノンフィクション
・『知らないと恥をかく世界の大問題』(池上彰氏。角川新書)
・『父の詫び状』(向田邦子氏)など、きれいな文体の随筆、エッセイ
1.就活はあなたのもの
a.就活はあなたのもの。マナーはあるがルールはない。やり方に正解はない。
b.ケース
・3日で4人の社長と会い、3社から内定して1週間で就活を終了した、関西の人気就職コンサルタント。
・学生結婚。憧れのマスコミ就職を4年生の年明けに諦め、3月に内定した人気キャリアコンサルタント。
・100人の社会人訪問をしたA君の作戦は「OB訪問したら、イケてる社会人を毎回紹介してもらう」。丁寧な手書きのお礼状。内定後も継続して社会人訪問。
・居酒屋で突撃社会人訪問をしていたB君。ポイントは「見た目よりも、ちょっと上の役職名で話しかけること」。
・リクナビが有料だと思い込み、登録していなかったC君は部活の先輩ルートで就活。今や、食品会社の若手の営業エース。
・30歳、博士課程修了者D君の就活。過去の研究との別れを覚悟し、今、22歳と一生懸命働いている。
c.私の就活
・電車で見る、死んだ目のスーツ姿の人たちを見て「こうはなるまい」
・就活前に、バックパックという名の中国逃亡
・ダメ就活生。イベント抜けだし、出会ったメンバーと飲み会へ。5名の会社に拾っていただいた。
2.就活
a.就活環境
・法人は200万社以上、就職ナビ掲載2万社、知っているのは100~300社。
・就活生45万人、大手企業の採用枠は3~7万人。
・人気企業は5万人が応募。
・就職難はバランスの問題。求人はある。
・学歴差別、女子差別。就職ナビ掲載の採用実績校よりも、キャリアセンタ―で就職実績を確認する。
b.就活は成長するきっかけだらけ
・異質との出合いに巻き込まれていこう。
・学生特権「叱られる」。転び方を学ぶ。擦り傷が皮膚を強くする。
c.就活関係者の活用法
・就活仲間をつくる。情報共有と生き方議論。孤立とWEBだけ就活の非生産性。
・キャリアセンタ―は、採用担当者と数多く会っている。掛け値なしに皆さんの支援が第一義。
・親、兄弟、バイト先の社員など身近な人が「誰とどのような仕事をしているのか」を把握する。
・先生は人生の先輩。大学教授という仕事を理解してみる。顧客は誰か、目標はあるか。
・内定者の話はあくまで参考程度に。「○○を言ったら(書いたら)採用される」方程式はない。
・就職ナビと就職イベントは広告。企業にとっての自己PR。自己PRのコツを学ぶ。メインナビに加え、自分のお気に入りナビを見つける。
・就職イベント、ぽつんと佇む誰もいない企業が実は優良企業なんてことも。熱心に自分のために時間を割いてくれる。
・みん就、2ch など、無記名情報に振り回されない。
・twitter で採用担当者の人となりが見えることがある。
3.仕事
a.PDC(A)と社会人基礎力
・新人研修で必ず教わるPDC(A)サイクルを就活中に実践する。根っこにある「就活の目的」を履き違えない。ウソついて入社すると、その後しんどい。
・自分の社会人基礎力を定点観測し、アルバイト先や親からの評価ももらってみる。
b.企業が採用するのは仕事ができる人
・面接が上手い人ではなく、仕事ができる人。厳密には、仕事が「できそう」な人。中途:実績、新卒:可能性。
・仕事の成果=能力×やる気。能力は伸ばせる。やる気は風土と相性。
・面接官は、過去の事実で能力の伸びしろをはかり、面接の受け答えでやる気の継続性を推測する。
・あなたの経験は、あなたしか経験していないこと。特に何もやっていなかった、と自信をなくす必要はない。
・求める人物像「コミュニケーション能力」ばかりが目立つのは、仕事の多くがコミュニケーションで成り立つから。コミュニケーションとは、論理と気持ちのキャッチボール。
4.企業
a.企業とは
・企業の第一義は「顧客の課題解決で利益を生みだす」
・納税し、国を通じて医療や教育へ再分配。利益こそ社会貢献。
・利益を増やすには、売上あげるかコストを下げる、の2通りしかない。志望職種はどちらに寄与する仕事か。
・「誰に、何を、どのように」提供して利益をあげているのか=ビジネスモデル
b.志望企業の取引先が言えますか?
・企業と企業の「繋がり」を知る。業界マップではなく、企業つながりマップをつくり、志望企業まで辿りついてみる。寄り道万歳。
・業界内同士はライバル。取引先、仕入先は入社後に直接関わる人たち。知っておいて損はない。
c.個人と企業
・安定は、企業が与えてくれるものではなく、自分でつくるもの。安定のために必要なのは挑戦という矛盾。
・企業選びは買い物じゃない。あなたのために会社があるのではなく、顧客のために会社はある。あなたのためだけに会社があるわけではないが、会社のためだけにあなたも生きるわけではない。
・理念、ビジョンを共有してこそ、一生懸命働ける。
5.扉は開く
a.努力と成果が相関しない
・「頑張っても報われないことがある」それを知り、経験することは、強くなるための通り道。強さとは他人への優しさ、温かさ。
・就活=恋愛論の所以。恋愛充実者は就活に困らないという仮説。終わったことは忘れて次にいくしかない。
・人生で初めて、短期間に「落とされ続ける」そして「理由がわからない」というストレス体験。息抜き上手になる。
b.キャリアは他人のためのもの
・自分だけの幸せは小さいもの。誰かに貢献することが幸せ。
・キャリアは振り返ればできている。目の前のことを一生懸命やるだけ。人生の転機におこなうのはキャリアチェンジであり、アップもダウンもない。
・活躍人材こそ、成果の見えづらい雪かきのような仕事をしている。履歴書には書かれない「手伝いましょうか?」を言える人に仕事が集まる。キャリアが生まれる。
c.扉は開く
・覚悟がすべて。自分で考え、行動し、決める。決めた道を自分で正解にする。
・諦めなければ、扉は開く。
6.推薦本
・『くたばれ!就職氷河期』(常見陽平氏。光文社新書)
・『就活革命』(辻太一朗氏。NHK出版生活新書)
・『<就活>廃止論』(佐藤孝治氏。PHP新書)
・『就活のバカヤロー』(石渡嶺司氏・大沢仁氏。光文社新書)
・『街場のメディア論』(第一講「キャリアは他人のためのもの」)(内田樹氏。光文社新書)
・『できる会社の社是・社訓』(千野信浩氏。新潮新書)
・『腐った翼 JAL消滅への60年』(森功氏。幻冬舎)などビジネスノンフィクション
・『知らないと恥をかく世界の大問題』(池上彰氏。角川新書)
・『父の詫び状』(向田邦子氏)など、きれいな文体の随筆、エッセイ
2010年10月1日金曜日
「リクナビ7つの約束」に思うこと
リクナビが「7つの約束」を発表した。
-------------------------------------------------------------------------------------
●約束1.入社後の活躍を期待できる出会いを創造します。
取り組み内容:リクナビスコア
●約束2.若い人たちが働く機会の拡大、ミスマッチの解消に努めます。
取り組み内容:DREAM-MATCH PROJECT、リクナビNEXT求人紹介
●約束3.学業と両立できる就職活動を実現します。
取り組み内容:イベントの土日祝日開催
●約束4.就職活動にかかる学生の負担を軽減します。
取り組み内容:R-Webinar、就職イベントUstream配信、じゃらん提携、Amazon提携
●約束5.将来を考える学生に、オープンな機会を提供します。
取り組み内容:就職ジャーナル、バーチャル講座キャリアの学校
●約束6.産業界が求める人材像を明らかにし、学生、大学に発信します。
取り組み内容:「求める人材」画面、先輩情報画面、キャリアの学校大学版
●約束7.国を越えた就職・採用活動を促進します。
取り組み内容:中国ハイポテンシャル新卒採用サービス『啓程日本(ケイテイニホン)/Work in Japan』、リクナビ外国人留学生特集
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twitter やブログで目にする限り、今のところ批判先行の様子だが、私の思うことをまとめてみる。
まず、リクナビが約束を宣言したこと、そのことを私は支持する。
宣言したこと自体に意味があると思うからだ。
その意味とは「最大多数の最大幸福を生みだす、日本の就職・採用の仕組みを築いていくうえで、決して無視することができない“リクナビ”のことを皆が論じられる状況になった」こと。ひと言でいえば“リクナビが見えた”のだ。そのビジョンが、その手段が。
私は就職・採用支援会社に8年間勤め、この7月に自分で会社を立ち上げたが、企業の採用担当者・大学職員・キャリアコンサルタント・同業社(採用支援会社)から、しばしばリクナビ批判を耳にすることがあった(そういえば、学生からはほぼ聞いたことがなかった。不満があれば使わなければいいんだもんね)。
私が直接聞いたことがあるリクナビ批判は大体4パターン。
1)リクルートの営業担当者の態度・対応が悪い、または、担当替えが早すぎることに対して「そもそもリクナビは…」という拡大批判
2)商売手法への批判(主に、企業による実勢販売価格差。4,5年前までは「殿様商売」と多くの人が言っていた)
3)元リクの人たちの私的感情による批判(なぜか“愛憎”そして“期待”が入り混じっている人が多い。古巣の悪口を言うって、一般的にはあり得ないことだと思うと、懐が広いのか、熱い人が多いのか。リクルートがリクルートである所以がここに表れている気がする)
4)業界トップなんだからそのやり方は…という業界内からの批判(その時点でビジネスとして負け腰)
直接ではないところだと
5)就職・採用問題の元凶と勝手に思われる、お門違いの批判
というのもある。
「日本最大級の、就職希望者DB・求人DBを保有する、リクナビの就職支援・採用支援ビジネスのあり方」については、実はあまり話題になることはなかったのではないだろうか。せいぜい「エントリーマシンとしての機能って、もう、先がないよね」ということに、リクナビ内外が気付いていながらも、その「次の一手」を誰も生み出せないまま、98年のオープンから12年間が過ぎてきたのではないだろうか。
そして「次の一手」はリクナビをはじめ、就職・採用支援会社各社が単独でつくれるものではなく、大学、官公庁、キャリアコンサルタントらの「より良い就職・採用の仕組みを創る」ことに真剣な人たちが、オープンに議論し、新たな「関係性」を構築することで生まれてくると思うのだ。だからこの「宣言」には意味がある。
そのうえで、私が「7つの約束」の内容について思うこと。
まず、中小企業と未就職者のマッチングや、地方学生の負担問題、海外人材や留学生の就職採用支援も積極的に取り組むという、「ほぼ全方位」をカバーしようとすることの背景には、業界トップとしての責任感もあると信じたい。これほどしんどい景況感のなかで「民間企業ですから、利益重視で○○はやめることにしました」と開き直らなかったことを好意的に受け止めてみようと思う。
一方、取り組み内容については、もっと踏み込んでほしかった。
私の就活問題解決の問いの立て方は「ムダ活(ムダな就活・ムダな採活)を防ぎながら、未知との出会いに、どのように学生を巻き込んでいくか」である。
A)大学生が多すぎる
B)能力・嗜好(力がない、大企業しか志望しない)
C)ムダ活(学歴・男女差別情報の未公表、自己PR・志望動機のつくり方など就活のための就活)
の3点が就活問題の主論点だと考えており、私は
1)学生に「未知=異質」(社会人、他大生、仕事、企業、業界)との出会いを生みだす
2)それによってB)の嗜好について変化をもたらし(「知らない仕事・会社・業界は志望できない」)
3)B)の能力向上にも寄与する企画に学生を巻き込んでいく
ことを「大学」と組んでおこなって(いこうとして)いる。
私自身が講師になるわけでもなく、学内合同企業説明会の業務代行をするわけでもなく、学内での「複数企業パネルディスカッション」を、大学と組んで実施しているのは「ムダ活を防ぎながら、未知との出会いに学生を巻き込んでいく」手段として有効だと考えているからだ。今は「大学」という括りで動いているが、秋以降は「他大生という未知」との出会い企画もつくろうと模索している。
その私の問題意識からすると、今回の宣言と取り組み内容からは「ムダ活を防ぎながら、未知との出会いに、どのように学生を巻き込んでいくのか」が見えないのだ。
どれだけ賢い人たちが、どれほど積み重ねてきたデータであっても、簡易テストで「はい、あなたにはこの仕事・企業が合っています」と言われた会社を応募する学生が、就活を通じて成長するイメージが湧かない。今まで知らなかった仕事、企業、業界に「巻き込まれながら」興味をもち、成長していくイメージが湧かない。
最大級の求人があるからこその、掲載基準、たとえばここ3年間の毎年の採用実績学校名と人数、その男女別、の公表が必須、などの基準や、大学との具体的なタイアップ企画、たとえば複数社乗り入れインターンシップ企画を企業無料・大学有料モデルで提供する代わりに企業には必須で実施してもらうコンテンツ(学生成長に寄与するもの)を用意する、とか、そういう、今までとはちがう具体策が見えてこない。
そこが残念ではあったが、まずは自分が大事だと思っている就活・採活支援に、ひとつずつ取り組んでいこう。民間企業であるリクナビが批判されるべきは、宣言が守られなかった場合だけである。
最後に、私が面識あるリクナビ関係者、リクルートおよびリクルートグループの人材支援会社の社長や事業企画担当者の方々は、とても人間くさくて、驕っておらず、ステキな人たちばかりであることを書き添えておく。
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●約束1.入社後の活躍を期待できる出会いを創造します。
取り組み内容:リクナビスコア
●約束2.若い人たちが働く機会の拡大、ミスマッチの解消に努めます。
取り組み内容:DREAM-MATCH PROJECT、リクナビNEXT求人紹介
●約束3.学業と両立できる就職活動を実現します。
取り組み内容:イベントの土日祝日開催
●約束4.就職活動にかかる学生の負担を軽減します。
取り組み内容:R-Webinar、就職イベントUstream配信、じゃらん提携、Amazon提携
●約束5.将来を考える学生に、オープンな機会を提供します。
取り組み内容:就職ジャーナル、バーチャル講座キャリアの学校
●約束6.産業界が求める人材像を明らかにし、学生、大学に発信します。
取り組み内容:「求める人材」画面、先輩情報画面、キャリアの学校大学版
●約束7.国を越えた就職・採用活動を促進します。
取り組み内容:中国ハイポテンシャル新卒採用サービス『啓程日本(ケイテイニホン)/Work in Japan』、リクナビ外国人留学生特集
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twitter やブログで目にする限り、今のところ批判先行の様子だが、私の思うことをまとめてみる。
まず、リクナビが約束を宣言したこと、そのことを私は支持する。
宣言したこと自体に意味があると思うからだ。
その意味とは「最大多数の最大幸福を生みだす、日本の就職・採用の仕組みを築いていくうえで、決して無視することができない“リクナビ”のことを皆が論じられる状況になった」こと。ひと言でいえば“リクナビが見えた”のだ。そのビジョンが、その手段が。
私は就職・採用支援会社に8年間勤め、この7月に自分で会社を立ち上げたが、企業の採用担当者・大学職員・キャリアコンサルタント・同業社(採用支援会社)から、しばしばリクナビ批判を耳にすることがあった(そういえば、学生からはほぼ聞いたことがなかった。不満があれば使わなければいいんだもんね)。
私が直接聞いたことがあるリクナビ批判は大体4パターン。
1)リクルートの営業担当者の態度・対応が悪い、または、担当替えが早すぎることに対して「そもそもリクナビは…」という拡大批判
2)商売手法への批判(主に、企業による実勢販売価格差。4,5年前までは「殿様商売」と多くの人が言っていた)
3)元リクの人たちの私的感情による批判(なぜか“愛憎”そして“期待”が入り混じっている人が多い。古巣の悪口を言うって、一般的にはあり得ないことだと思うと、懐が広いのか、熱い人が多いのか。リクルートがリクルートである所以がここに表れている気がする)
4)業界トップなんだからそのやり方は…という業界内からの批判(その時点でビジネスとして負け腰)
直接ではないところだと
5)就職・採用問題の元凶と勝手に思われる、お門違いの批判
というのもある。
「日本最大級の、就職希望者DB・求人DBを保有する、リクナビの就職支援・採用支援ビジネスのあり方」については、実はあまり話題になることはなかったのではないだろうか。せいぜい「エントリーマシンとしての機能って、もう、先がないよね」ということに、リクナビ内外が気付いていながらも、その「次の一手」を誰も生み出せないまま、98年のオープンから12年間が過ぎてきたのではないだろうか。
そして「次の一手」はリクナビをはじめ、就職・採用支援会社各社が単独でつくれるものではなく、大学、官公庁、キャリアコンサルタントらの「より良い就職・採用の仕組みを創る」ことに真剣な人たちが、オープンに議論し、新たな「関係性」を構築することで生まれてくると思うのだ。だからこの「宣言」には意味がある。
そのうえで、私が「7つの約束」の内容について思うこと。
まず、中小企業と未就職者のマッチングや、地方学生の負担問題、海外人材や留学生の就職採用支援も積極的に取り組むという、「ほぼ全方位」をカバーしようとすることの背景には、業界トップとしての責任感もあると信じたい。これほどしんどい景況感のなかで「民間企業ですから、利益重視で○○はやめることにしました」と開き直らなかったことを好意的に受け止めてみようと思う。
一方、取り組み内容については、もっと踏み込んでほしかった。
私の就活問題解決の問いの立て方は「ムダ活(ムダな就活・ムダな採活)を防ぎながら、未知との出会いに、どのように学生を巻き込んでいくか」である。
A)大学生が多すぎる
B)能力・嗜好(力がない、大企業しか志望しない)
C)ムダ活(学歴・男女差別情報の未公表、自己PR・志望動機のつくり方など就活のための就活)
の3点が就活問題の主論点だと考えており、私は
1)学生に「未知=異質」(社会人、他大生、仕事、企業、業界)との出会いを生みだす
2)それによってB)の嗜好について変化をもたらし(「知らない仕事・会社・業界は志望できない」)
3)B)の能力向上にも寄与する企画に学生を巻き込んでいく
ことを「大学」と組んでおこなって(いこうとして)いる。
私自身が講師になるわけでもなく、学内合同企業説明会の業務代行をするわけでもなく、学内での「複数企業パネルディスカッション」を、大学と組んで実施しているのは「ムダ活を防ぎながら、未知との出会いに学生を巻き込んでいく」手段として有効だと考えているからだ。今は「大学」という括りで動いているが、秋以降は「他大生という未知」との出会い企画もつくろうと模索している。
その私の問題意識からすると、今回の宣言と取り組み内容からは「ムダ活を防ぎながら、未知との出会いに、どのように学生を巻き込んでいくのか」が見えないのだ。
どれだけ賢い人たちが、どれほど積み重ねてきたデータであっても、簡易テストで「はい、あなたにはこの仕事・企業が合っています」と言われた会社を応募する学生が、就活を通じて成長するイメージが湧かない。今まで知らなかった仕事、企業、業界に「巻き込まれながら」興味をもち、成長していくイメージが湧かない。
最大級の求人があるからこその、掲載基準、たとえばここ3年間の毎年の採用実績学校名と人数、その男女別、の公表が必須、などの基準や、大学との具体的なタイアップ企画、たとえば複数社乗り入れインターンシップ企画を企業無料・大学有料モデルで提供する代わりに企業には必須で実施してもらうコンテンツ(学生成長に寄与するもの)を用意する、とか、そういう、今までとはちがう具体策が見えてこない。
そこが残念ではあったが、まずは自分が大事だと思っている就活・採活支援に、ひとつずつ取り組んでいこう。民間企業であるリクナビが批判されるべきは、宣言が守られなかった場合だけである。
最後に、私が面識あるリクナビ関係者、リクルートおよびリクルートグループの人材支援会社の社長や事業企画担当者の方々は、とても人間くさくて、驕っておらず、ステキな人たちばかりであることを書き添えておく。
2010年9月18日土曜日
新卒一括採用はどのようにして生まれ、定着したか
「『義務』あるいは権利。この二つのことばも、明治国家が翻訳してくれた言語遺産です」(『「明治」という国家〔上〕』司馬遼太郎著・NHKブックス)
現在の日本の新卒一括採用の礎が築かれたのは、明治時代である。「武士という、貧しくても誇り高く、形而上的に物を考え、よろこんで死ぬわけではないにしても、いつでも必要とあらば死ぬということを人生の大前提にして代々その精神を世襲してきたひとびとと、町人的合理主義をもつひとびと」(同上)がいた江戸日本で「圧倒的な商品経済(貨幣経済)の沸騰」(同上)が起きたまま明治へと時代が変わりゆくなかで、後者(町人的合理主義をもつひとびと)が熾烈な人材獲得競争への対策として、そして「義務と権利」の社会風潮の後押しのなかで編み出されていったのが、合理的な、新卒一括採用である。
「明治時代における、日本の労働者の労働移動は、世界の雇用史上最高の水準にあったと言っても過言ではなかった」(『日本雇用史』坂本藤良著・中央経済社)
日本は「新卒入社した会社に、多くの人が一生(終身)雇用される特殊な国」と言われることがあるが(少なくとも私はそう思っていた)、そんなことはない。若年離職率が、高卒・中卒よりも低い大卒でみても、30歳までに50%が転職を経験する(リクルートエージェント転職5万名調査<2007年>資料より)。金融危機後はその率は落ち込んでいるだろうが、ポイントは「条件が高いところへ労働者が移動する(転職する)習慣は、明治時代には既にあり、世界トップクラスだったと思われる」ということである。参考までに、職工の勤続状況を見てみると、大正期(私の手元資料の最古)では、男性の3年以下の離職率は57.9%である(HRmics AUG.-NOV.2009資料より)。
職工労働市場では、雇っても辞められる繰り返しと、そのための熾烈な人材獲得競争が明治時代には始まっていた。その対策として発明されたのが「(まだ仕事ができない)未熟練工を雇い、企業内学校で育て、一人前にする」仕組みである。八幡製鉄所(1910年/明治43年)幼年職工要請所設立、日立製作所(1910年/明治43年)徒弟要請所設立、などである。ゼロから体系立てて教えるから技能は当然身につき、感謝の念の裏返しとして忠誠心も得られる。この仕組みの成立とともに職工労働市場も供給が安定、「世界トップクラスの労働移動」「熾烈な人材獲得競争」は終息していく。
一方、商家の雇用制度はどのように変遷したか。結論を先に書くと、「かたちを変えて、子飼制と内部昇進制を柱とする日本型雇用制度となった」(「農民の時間から会社の時間へ:日本における労働と生活の歴史的変容」斎藤修著・一橋大学機関リポジトリ HERMES-IR)。
丁稚奉公から番頭へと出世する商家の雇用制度。そもそも奉公人とは「江戸時代、一定の年限を定めて、住み込みで商家の家業に従事(年季奉公)した者の総称」(kotobank.jp)であり「丁稚(でっち)は無給で、使い走りをしつつ、読み書き、算盤などを習得する。元服後、手代(てだい)に昇格、有給となる。番頭は管理職で、暖簾分けして独立する機会を持った」(同上)。重要なのは、この制度が「激しい競争淘汰システム」であったことだ。
まず、試用期間。短期間の試用で仕事が覚えられない人間は「暇」を出されて不採用。この一次選抜の通過率が7割。7~8年後に、初の「登り(実家に戻る休日)」がくるが、これが今でいう昇進試験。昇進を果たせなかった人間は(今と違って現職にいることはできず)「永遠の休日」となり、店に戻れない。昇進すると、中座というポジション。さらに7~8年後に二度目の「登り」がきて、これで上座・番頭クラス、三度めの「登り」で支配人、という流れだが、二度目の「登り」で上座・番頭クラスになれる確率は6~22%。さらに三度目の「登り」でも2~4割は脱落させられる(奉公人の昇進率については、前記・HRmicsより)。
この「大量採用・少数選抜」を「衣食住を提供しながら」「隷属的に」実行する雇用制度は、経営側(商家側)にも負担が大きかった。「経営者一家と社員は平等である」と宣言した三井銀行が1876年には通勤・給料制を始め、一般化していく。経営側の合理性、そして「義務と権利」の社会風潮が、通勤・給料制の一般化を推し進めた。
しかし、というべきか、当然の帰結なのか、通勤・給料制の移行は「厳選採用・精鋭育成」を生みだすことになる。丁稚奉公式の「大量採用・少数選抜」では無能社員(奉公人)は「暇」を出せば済んだが、こちらはそうもいかない。さらに、近代化の流れの中で、「実践型人材」よりも「(経営に関する)知識型人材」の必要が出てくる。そこで企業が目をつけたのが、官公庁に勤めるのが当然だった「旧制大学卒業者(明治後期で年間700名)」である。言わば、スーパーエリートたる「大卒」の人材獲得競争が「中途市場」で始まる。この先は職工と近く、「中途がダメなら新卒を」の発想で、1895年に三菱財閥筆頭会社である日本郵船、三井、1907年には住友が、大学卒業者の新卒定期採用を始めることになる。
こうして明治末期には、財閥各社を中心に大卒の定期採用が普及したが、現代に近い「多くの大卒者が毎年、各企業に一斉就職する」ようになったのは、第一次世界大戦(1914~1918年)後の大正中期であった。要因は2つある。ひとつは、企業側の人材ニーズの拡大。戦争成金の出現と海外展開の実行がその背景である。もうひとつは、大学令の発布により、専門学校の大学格上げ、商学系大学・学部の新設ラッシュである。大学生が急増した。1905年の准大学(官・私立専門学校)の卒業生は2900人、10年後の1915年は6400人である。同じ時期、大学卒(帝大卒)も700人から1600人に増えている。つまり、1915年時の、現在の大卒にあたる卒業生は、合わせて8000人だった。スーパーエリートたちである。
・・・・・・
95年の歳月を経た。
年間大卒者数は60万人になった。
この間、当時は「育てる、と言っても(経営に関する)知識は自分たちよりも上」であることが価値であったスーパーエリートたる大卒者は「知識も含めて育てる、教える」存在になった。「未熟練な若年労働力である大卒者を、知識も含めて育て、ロイヤリティを高め、社内適応人材にする」。それは、職工の企業内学校に近いものである。
企業内育成に主眼がおかれた職工による若年者採用。
エリートの早期確保に主眼がおかれた大卒者一括採用。
高度経済成長から低成長への突入、働き方の多様化、若年労働力人口の減少と、大学生の急増。数々の環境変化が起きているなかで、「企業内育成」「エリートの早期確保」の両輪が、さみだれ式に融合され、効果が測れないまま、明日も大学生の新卒一括採用はおこなわれる。
現在の日本の新卒一括採用の礎が築かれたのは、明治時代である。「武士という、貧しくても誇り高く、形而上的に物を考え、よろこんで死ぬわけではないにしても、いつでも必要とあらば死ぬということを人生の大前提にして代々その精神を世襲してきたひとびとと、町人的合理主義をもつひとびと」(同上)がいた江戸日本で「圧倒的な商品経済(貨幣経済)の沸騰」(同上)が起きたまま明治へと時代が変わりゆくなかで、後者(町人的合理主義をもつひとびと)が熾烈な人材獲得競争への対策として、そして「義務と権利」の社会風潮の後押しのなかで編み出されていったのが、合理的な、新卒一括採用である。
「明治時代における、日本の労働者の労働移動は、世界の雇用史上最高の水準にあったと言っても過言ではなかった」(『日本雇用史』坂本藤良著・中央経済社)
日本は「新卒入社した会社に、多くの人が一生(終身)雇用される特殊な国」と言われることがあるが(少なくとも私はそう思っていた)、そんなことはない。若年離職率が、高卒・中卒よりも低い大卒でみても、30歳までに50%が転職を経験する(リクルートエージェント転職5万名調査<2007年>資料より)。金融危機後はその率は落ち込んでいるだろうが、ポイントは「条件が高いところへ労働者が移動する(転職する)習慣は、明治時代には既にあり、世界トップクラスだったと思われる」ということである。参考までに、職工の勤続状況を見てみると、大正期(私の手元資料の最古)では、男性の3年以下の離職率は57.9%である(HRmics AUG.-NOV.2009資料より)。
職工労働市場では、雇っても辞められる繰り返しと、そのための熾烈な人材獲得競争が明治時代には始まっていた。その対策として発明されたのが「(まだ仕事ができない)未熟練工を雇い、企業内学校で育て、一人前にする」仕組みである。八幡製鉄所(1910年/明治43年)幼年職工要請所設立、日立製作所(1910年/明治43年)徒弟要請所設立、などである。ゼロから体系立てて教えるから技能は当然身につき、感謝の念の裏返しとして忠誠心も得られる。この仕組みの成立とともに職工労働市場も供給が安定、「世界トップクラスの労働移動」「熾烈な人材獲得競争」は終息していく。
一方、商家の雇用制度はどのように変遷したか。結論を先に書くと、「かたちを変えて、子飼制と内部昇進制を柱とする日本型雇用制度となった」(「農民の時間から会社の時間へ:日本における労働と生活の歴史的変容」斎藤修著・一橋大学機関リポジトリ HERMES-IR)。
丁稚奉公から番頭へと出世する商家の雇用制度。そもそも奉公人とは「江戸時代、一定の年限を定めて、住み込みで商家の家業に従事(年季奉公)した者の総称」(kotobank.jp)であり「丁稚(でっち)は無給で、使い走りをしつつ、読み書き、算盤などを習得する。元服後、手代(てだい)に昇格、有給となる。番頭は管理職で、暖簾分けして独立する機会を持った」(同上)。重要なのは、この制度が「激しい競争淘汰システム」であったことだ。
まず、試用期間。短期間の試用で仕事が覚えられない人間は「暇」を出されて不採用。この一次選抜の通過率が7割。7~8年後に、初の「登り(実家に戻る休日)」がくるが、これが今でいう昇進試験。昇進を果たせなかった人間は(今と違って現職にいることはできず)「永遠の休日」となり、店に戻れない。昇進すると、中座というポジション。さらに7~8年後に二度目の「登り」がきて、これで上座・番頭クラス、三度めの「登り」で支配人、という流れだが、二度目の「登り」で上座・番頭クラスになれる確率は6~22%。さらに三度目の「登り」でも2~4割は脱落させられる(奉公人の昇進率については、前記・HRmicsより)。
この「大量採用・少数選抜」を「衣食住を提供しながら」「隷属的に」実行する雇用制度は、経営側(商家側)にも負担が大きかった。「経営者一家と社員は平等である」と宣言した三井銀行が1876年には通勤・給料制を始め、一般化していく。経営側の合理性、そして「義務と権利」の社会風潮が、通勤・給料制の一般化を推し進めた。
しかし、というべきか、当然の帰結なのか、通勤・給料制の移行は「厳選採用・精鋭育成」を生みだすことになる。丁稚奉公式の「大量採用・少数選抜」では無能社員(奉公人)は「暇」を出せば済んだが、こちらはそうもいかない。さらに、近代化の流れの中で、「実践型人材」よりも「(経営に関する)知識型人材」の必要が出てくる。そこで企業が目をつけたのが、官公庁に勤めるのが当然だった「旧制大学卒業者(明治後期で年間700名)」である。言わば、スーパーエリートたる「大卒」の人材獲得競争が「中途市場」で始まる。この先は職工と近く、「中途がダメなら新卒を」の発想で、1895年に三菱財閥筆頭会社である日本郵船、三井、1907年には住友が、大学卒業者の新卒定期採用を始めることになる。
こうして明治末期には、財閥各社を中心に大卒の定期採用が普及したが、現代に近い「多くの大卒者が毎年、各企業に一斉就職する」ようになったのは、第一次世界大戦(1914~1918年)後の大正中期であった。要因は2つある。ひとつは、企業側の人材ニーズの拡大。戦争成金の出現と海外展開の実行がその背景である。もうひとつは、大学令の発布により、専門学校の大学格上げ、商学系大学・学部の新設ラッシュである。大学生が急増した。1905年の准大学(官・私立専門学校)の卒業生は2900人、10年後の1915年は6400人である。同じ時期、大学卒(帝大卒)も700人から1600人に増えている。つまり、1915年時の、現在の大卒にあたる卒業生は、合わせて8000人だった。スーパーエリートたちである。
・・・・・・
95年の歳月を経た。
年間大卒者数は60万人になった。
この間、当時は「育てる、と言っても(経営に関する)知識は自分たちよりも上」であることが価値であったスーパーエリートたる大卒者は「知識も含めて育てる、教える」存在になった。「未熟練な若年労働力である大卒者を、知識も含めて育て、ロイヤリティを高め、社内適応人材にする」。それは、職工の企業内学校に近いものである。
企業内育成に主眼がおかれた職工による若年者採用。
エリートの早期確保に主眼がおかれた大卒者一括採用。
高度経済成長から低成長への突入、働き方の多様化、若年労働力人口の減少と、大学生の急増。数々の環境変化が起きているなかで、「企業内育成」「エリートの早期確保」の両輪が、さみだれ式に融合され、効果が測れないまま、明日も大学生の新卒一括採用はおこなわれる。
2010年9月8日水曜日
大学生の就職難とは何か
就職難であるらしい。
「不況で採用数が減った」「だから就職できない学生が増えた」「特殊な日本の新卒採用一括主義は、未就職者の正社員への道を閉ざすもので、派遣やフリーター急増の大きな要因となる悪しき習慣だ」という意見もある。専門外の人たちもメディアやブログやTwitterで発言している。良いことだと思う。
アイディアが転がっていることもあるし、刺激を受けるし、多くの人が就職問題に興味をもつことは、大きな仕掛けができる可能性を秘めているからだ。一方で、私は企業や大学や学生と関わりながら、就職・採用・キャリアに関する課題解決をおこない、お金を頂いている。「らしい」の話を鵜呑みにするわけにはいかない。というわけで、今起きていることを整理してみる。
※話が拡散するので「日本人大学生の就職」に絞る。データもかなり四捨五入。
1.人口減、大学生増加
少子化である。
19歳~22歳の基礎人口は、89年は750万人、09年は500万人。250万人も減っている(その間、93年がピークで、その後はずっと減)。
それにも関わらず、少子化に逆行するように、大学数と大学生が増え続けている。大学進学率でみると、89年で25%、09年は50%。
750万人×25%=190万人、500万人×50%=250万人。
そう、人口がぐっと減っているのに、大学生は増加している。
ちなみに09年度の大学数は、国立86校、公立69校、私立589校の計744大学もある。
(データ「人口統計」「学校基本調査」)
2.いつも30万人程度は中堅中小企業に就職
ここ20年間の企業の正社員採用数はどのように変化しているか。
まず、上場企業・大手企業の「新規学卒者採用予定数」でみると、20年間で採用予定数が少なかった年は、90年の3万人、01年の4万人。90年代は、3~7万人をいったりきたりしているが、00年代に入ると、04年から09年まで毎年その数を増やし続け、09年には10万人という大台に乗っている。但し、実際には内定取り消しをはじめ、予定数ほど採用しなかった企業が多数だったと思われるため、実数としては08年の9万人がもっとも多い数だろう((『日経リサーチ』調べ。各業界別に上場企業・大手企業から主要企業を日経が独自にピックアップして回答依頼したもの。上述の通りデータは「予定数」)。
就職総数は、不況と言われる直近の10年が33万人、好況の08年が39万人。上場企業・大手企業は好況不況どちらでもせいぜい3~9万人程度の受け入れ枠であるから、大体30万人くらいは好況不況問わず、いつも中堅中小企業に就職していることになる。
3.問題は、大手企業しか受けない中堅校以下の学生たち
就職支援の現場にいる人たちならば実感していると思うが、学生の「大企業志向」は本当に根強い。
約10年間、就職情報会社に勤めて学生と話す機会ももちろんあったが「大企業以外は企業にあらず」くらいに思っている学生もいた。そう思うのは勝手なのだが、中堅校以下の学生が大手だけを目指したら、決まるものも決まらない。企業規模と、入社者の大学偏差値の相関データを見たことも調べたこともないので(存在するのだろうか)ここから先は実感ベースで話を進めるが、実際に就職・採用支援現場で仕事をしていると、大企業ほど入社者の上位校比率は高い、ということを強く感じる(まず間違いないだろう)。初めから「(関東で言うと)東大・一橋・早稲田・慶応しか採用対象ではありません」という企業はごく稀にしかないが(稀にある)、「結果的に上位校」となっている大手企業が一般的だ。
もちろん、中堅校以下の学生を採用することだってある。しかし、その枠はとても限られている。そのことを知ってか知らずか、置かれている環境を理解できないのか「大手企業じゃないとイヤ」という中堅校以下の学生が多い。
1人の学生に対する求人が何件あるかを示す新卒求人倍率、3.63。…これは直近の「1,000人未満の企業」の数字である(リクルートワークス研究所、厚生労働省職業安定局)。ということを勘案すると、中堅中小企業の求人はあるのに目を向けない、特に中堅校以下の急増した学生たち、この学生たちが「10万人」という前代未聞の未就職者数のボリュームゾーンではないだろうか。
(「上位校だって就職難だ」と言われそうだが、そもそも上位校でも就職力がない〔企業には魅力的に映らない、または就職したいという気力が低い〕学生は昔から一定層いただろうし、メディアとしてはネタ的にそのほうが取り上げやすい。実際に大企業の採用数も〔繰り返しになるが全体としてはさほど影響がないにせよ〕減っているのだから『上位校は大企業にいきやすい度』」の話)
4.まとめ:就職難問題の構造
大学生が増え続けている。
企業の新卒正社員採用数は変わっていない。
中堅中小企業の求人倍率は3以上あるのに、学生は目を向けない。当然、多数があぶれる。
大手企業は上位校採用率が高い(だろう)=中堅校以下は採用確率が低い(だろう)。
だから、大手企業ばかり志望して就職先が決まらない中堅校以下の学生がこの問題のキーマンである。
彼らが「10万人」という前代未聞の未就職者数を生みだした。
5.解決策の方向性
ここまで書いて改めて思うのだが、結局、学生が企業と仕事を選びすぎていると思うのだ。
根底にあるのは、小さいころから育まれてきた「買い物意識」だと思う。「私が就職したら、会社は私に何をくれますか?」という問いを自然と立ててしまう。“消費者”としての自然発想だ。その発想で考えれば、せっかく20年も生きてきて「大企業に見劣りするものしかくれない(“消費者”だから給与とか福利厚生とか休日とか)中堅中小企業」は「割に合わない」と思うのだろう。そのことについてはまた別の機会に考えてみたい。
それで。
問いの立て方次第だが「大卒の未就職者数が増えていること」を「就職難」とし、「課題」とするならば、解決の方向性は3つ。
1)中堅中小企業への大卒入社者を増やす(大手企業の採用数は増やせない。増やせても全体解決に対する影響度は低い。むしろ外国人採用の増加によって日本人採用枠は減る)
2)大学生を減らす
3)大学生を企業が採用したい人材に育てる
この具体策を考えているのだが、まだしっくりこないので、ここまで。
「不況で採用数が減った」「だから就職できない学生が増えた」「特殊な日本の新卒採用一括主義は、未就職者の正社員への道を閉ざすもので、派遣やフリーター急増の大きな要因となる悪しき習慣だ」という意見もある。専門外の人たちもメディアやブログやTwitterで発言している。良いことだと思う。
アイディアが転がっていることもあるし、刺激を受けるし、多くの人が就職問題に興味をもつことは、大きな仕掛けができる可能性を秘めているからだ。一方で、私は企業や大学や学生と関わりながら、就職・採用・キャリアに関する課題解決をおこない、お金を頂いている。「らしい」の話を鵜呑みにするわけにはいかない。というわけで、今起きていることを整理してみる。
※話が拡散するので「日本人大学生の就職」に絞る。データもかなり四捨五入。
1.人口減、大学生増加
少子化である。
19歳~22歳の基礎人口は、89年は750万人、09年は500万人。250万人も減っている(その間、93年がピークで、その後はずっと減)。
それにも関わらず、少子化に逆行するように、大学数と大学生が増え続けている。大学進学率でみると、89年で25%、09年は50%。
750万人×25%=190万人、500万人×50%=250万人。
そう、人口がぐっと減っているのに、大学生は増加している。
ちなみに09年度の大学数は、国立86校、公立69校、私立589校の計744大学もある。
(データ「人口統計」「学校基本調査」)
2.いつも30万人程度は中堅中小企業に就職
ここ20年間の企業の正社員採用数はどのように変化しているか。
まず、上場企業・大手企業の「新規学卒者採用予定数」でみると、20年間で採用予定数が少なかった年は、90年の3万人、01年の4万人。90年代は、3~7万人をいったりきたりしているが、00年代に入ると、04年から09年まで毎年その数を増やし続け、09年には10万人という大台に乗っている。但し、実際には内定取り消しをはじめ、予定数ほど採用しなかった企業が多数だったと思われるため、実数としては08年の9万人がもっとも多い数だろう((『日経リサーチ』調べ。各業界別に上場企業・大手企業から主要企業を日経が独自にピックアップして回答依頼したもの。上述の通りデータは「予定数」)。
就職総数は、不況と言われる直近の10年が33万人、好況の08年が39万人。上場企業・大手企業は好況不況どちらでもせいぜい3~9万人程度の受け入れ枠であるから、大体30万人くらいは好況不況問わず、いつも中堅中小企業に就職していることになる。
3.問題は、大手企業しか受けない中堅校以下の学生たち
就職支援の現場にいる人たちならば実感していると思うが、学生の「大企業志向」は本当に根強い。
約10年間、就職情報会社に勤めて学生と話す機会ももちろんあったが「大企業以外は企業にあらず」くらいに思っている学生もいた。そう思うのは勝手なのだが、中堅校以下の学生が大手だけを目指したら、決まるものも決まらない。企業規模と、入社者の大学偏差値の相関データを見たことも調べたこともないので(存在するのだろうか)ここから先は実感ベースで話を進めるが、実際に就職・採用支援現場で仕事をしていると、大企業ほど入社者の上位校比率は高い、ということを強く感じる(まず間違いないだろう)。初めから「(関東で言うと)東大・一橋・早稲田・慶応しか採用対象ではありません」という企業はごく稀にしかないが(稀にある)、「結果的に上位校」となっている大手企業が一般的だ。
もちろん、中堅校以下の学生を採用することだってある。しかし、その枠はとても限られている。そのことを知ってか知らずか、置かれている環境を理解できないのか「大手企業じゃないとイヤ」という中堅校以下の学生が多い。
1人の学生に対する求人が何件あるかを示す新卒求人倍率、3.63。…これは直近の「1,000人未満の企業」の数字である(リクルートワークス研究所、厚生労働省職業安定局)。ということを勘案すると、中堅中小企業の求人はあるのに目を向けない、特に中堅校以下の急増した学生たち、この学生たちが「10万人」という前代未聞の未就職者数のボリュームゾーンではないだろうか。
(「上位校だって就職難だ」と言われそうだが、そもそも上位校でも就職力がない〔企業には魅力的に映らない、または就職したいという気力が低い〕学生は昔から一定層いただろうし、メディアとしてはネタ的にそのほうが取り上げやすい。実際に大企業の採用数も〔繰り返しになるが全体としてはさほど影響がないにせよ〕減っているのだから『上位校は大企業にいきやすい度』」の話)
4.まとめ:就職難問題の構造
大学生が増え続けている。
企業の新卒正社員採用数は変わっていない。
中堅中小企業の求人倍率は3以上あるのに、学生は目を向けない。当然、多数があぶれる。
大手企業は上位校採用率が高い(だろう)=中堅校以下は採用確率が低い(だろう)。
だから、大手企業ばかり志望して就職先が決まらない中堅校以下の学生がこの問題のキーマンである。
彼らが「10万人」という前代未聞の未就職者数を生みだした。
5.解決策の方向性
ここまで書いて改めて思うのだが、結局、学生が企業と仕事を選びすぎていると思うのだ。
根底にあるのは、小さいころから育まれてきた「買い物意識」だと思う。「私が就職したら、会社は私に何をくれますか?」という問いを自然と立ててしまう。“消費者”としての自然発想だ。その発想で考えれば、せっかく20年も生きてきて「大企業に見劣りするものしかくれない(“消費者”だから給与とか福利厚生とか休日とか)中堅中小企業」は「割に合わない」と思うのだろう。そのことについてはまた別の機会に考えてみたい。
それで。
問いの立て方次第だが「大卒の未就職者数が増えていること」を「就職難」とし、「課題」とするならば、解決の方向性は3つ。
1)中堅中小企業への大卒入社者を増やす(大手企業の採用数は増やせない。増やせても全体解決に対する影響度は低い。むしろ外国人採用の増加によって日本人採用枠は減る)
2)大学生を減らす
3)大学生を企業が採用したい人材に育てる
この具体策を考えているのだが、まだしっくりこないので、ここまで。
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