2011年6月29日水曜日

6/27・横国セミナー「生産技術の仕事」フィードバック

6/27、月曜日。

横浜国立大学で全学年対象の「仕事研究セミナー」開催。今回のテーマは「生産技術の仕事」。「工学系知識は活かせるようだけど、具体的にどんな仕事か?」をイメージしづらい生産技術の仕事について、4社の方に公開インタビュー。内容の一部をフィードバックします。

対象学年:全学年
対象学部:(理)工学部、工学研究院生
形式:各社3分間自社紹介、生産技術職の皆さん(または経験者)によるパネルディスカッション
テーマ:「生産技術の仕事」
企業(敬称略):OKI(沖電気工業)、コクヨ、山武(azbilグループ)、理想科学工業
ファシリテーター:i4 伊藤(私)

※発言内容は順不同。要約多数。

<思い出深いエピソード>
・ある光学センサーを、10分の1の価格でつくりたいとの課題がきた。開発期間は2年。最終的に採用した案は、複数の部品からなる構造を、1点の部品でカバーする構造にし直すこと。本当はあってはいけないのだが、2年の開発期間が過ぎても、完成しなかった。だが、その後、何とか課題をクリアして、社長賞をいただいた。
・生産技術は普段、工場で実験や調べものをしているが、その工場自体の立ち上げプロジェクト。建屋は、電気、水、AIR(圧縮空気)をどうするかが鍵になるのだが、設計者や開発陣と打合せを重ねて完成。いよいよ明日、新工式の式典、という日になって、まさかのトラブル。部品が金型に詰まってしまい、機械が作動しなくなってしまった。おろおろするばかりの自分に、先輩技術者が冷静に対応してくれ、無事に式典を迎えることができた。
・自慢だけれど、今年、ある製品の量産化にこぎつけ、ものづくり部品賞をいただいた。ただ、これは、3時間、電気が止まってしまうとダメになってしまうもので、震災後は、どうすれば停電が起きても対応できるかなど、休日返上で考え、取り組んだ。
・当社の場合は「何をつくるか」は開発陣が決めることで、それ以外の「誰が、いつ、どこで、どのようにつくるのか」は生産技術者の仕事。たとえて言うなら、美味しいレシピでカレーを4人分つくるところまでは開発、ではそれを1万人分つくるには、が生産技術。4人分を2500回つくるのは非効率だし、1万人分つくれる鍋を用意するという発想もイマイチ。だから、発想の転換も必要になるし、そういう意味ではすべての仕事が思い出深い。

<大変なこと、難しいこと>
・時間との戦い。開発スケジュールが遅れても、製品の市場リリース日は決まっているので、しわ寄せは生産技術者にくる。けれどもそこで、工場の皆と力を合わせて、何事もなかったかのように元のスケジュール通りで量産化までこぎつけるのが、生産技術者の大変さであり、誇りでもある。
・工場のラインは生き物。理屈どおりにならないことも多々あるし、しかも、人が介在する作業。プライオリティ(優先順位)を瞬時に判断しなければならない場面が頻繁に訪れること。
・工場の職人さんたちとのコミュニケーション。中途半端な考えをもっていっても、向こうは経験上「それは無理だ」と一蹴されることもある。そこで諦めたら終わり。きちんと向き合い、話し合い、納得して動いてくれ始めると、すごい力になる。

<喜び、やりがい>
・何も問題が起きていない、という喜び(笑)。他の人たちが「工場で製品ができあがるのは当然」と思っていても、そこにはたくさんの問題が発生する。偉そうにそれを解決しているのは自分たちだ!と言わなくても、工場の皆はその大変さを分かっている。だから、苦労した部品が製品になった際などは、工場皆で喜ぶ。
・現場の皆からの「ありがとう」「良かったね」の言葉。
・日々、本当に忙しい。けれど、今日のセミナーのように、ふと自分を客観的に考える機会があるたびに、成長を実感できる。これは嬉しい。

<学業がどのように活かされるか>
・基礎知識は役に立つ。それと、自分で考える力も学業で身につくと思う。
・生産技術はモノづくりの現場そのものなので、工学知識は活かされる。
・私の仕事であえてひとつあげるなら、材料力学。それと「諦めない奴が最後には勝つ」ということは、大学時代の研究でも学べる、とても大事なことだと思う。
・専門分野の専門書を読める力。生産技術の仕事は、カンニングOK。ただ、専門書を読める力がないと、カンニングすらできない。

<学生へのメッセージ>
・生産技術の仕事は、想像以上にアナログです。ガテン系の面すらあります。だからこそ、モノづくりをしたい人はぜひ、挑戦してみてください。仕事は、給料がいくらとか、休みがあるかとか、私も学生の時はそういうことを気にしていましたが、働いてから思うのは、自分がいかに仕事を楽しめるか、だと思います。モノづくりしたい人にはぴったりの仕事です。
・学生時代は何に対しても興味を持って取り組む、ということが大事です。すべての経験は役立ちます。
・モノづくりの醍醐味が詰まっているのが生産技術の仕事です。そして、学生の皆さんに伝えたいのは「今やるべきことをやる」ということ。それは「今やらないことを決めること」と同義です。皆さんが「今やるべきこと」は「勉強」です。一生懸命、勉強してください。
・最終学歴の最後の1年は、その後の人生にも大きく影響を与えます。納得するまで論文を書く、社会人になってからも相談できる先生を見つけておく、そういう後悔しない学生時代の後半を送ってほしいです。

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<7月の大学内セミナー(同形式)> →全日程はこちら

【早稲田大学(大隈小講堂・16:30~18:00)】
○7月5日(火)「総務・人事の仕事」:アイア、エイベックス・グループ・ホールディングス、三菱電機ビルテクノサービス、理想科学工業
○7月19日(火)「研究・開発の仕事」(理系向け):宇宙航空研究開発機構(JAXA)、サミー、楽天

【横浜国立大学(6月7月は(理)工学部・工学研究院生向け)16:30~18:00】
○7月8日(金)「実は活きる工学系人材の仕事」:エイベックス・グループ・ホールディングス、サミー、電通

【千葉大学(16:30~18:00)】
○7月12日(火)「検証!働くことの本質に迫る」:アイア、アイスタイル、エイベックス・グループ・ホールディングス

【立教大学(18:30~20:00)】
○7月7日(木)池袋「企画職の仕事」:エイベックス・グループ・ホールディングス、ユニリーバ・ジャパン
○7月13日(水)池袋「営業職の仕事」:コーセー、ノバルティス ファーマ、森永乳業
○7月14日(木)新座「営業職の仕事」:コーセー、ノバルティス ファーマ、森永乳業
○7月15日(金)池袋「世界を舞台に活躍できる仕事」:電通、日本電産コパル、読売新聞社

※10月以降も、早稲田、横浜国立、立教、千葉、中央の各大学で本セミナーを開催していきます。詳細は学内の立て看板やチラシ、大学ポータルサイトをご参照ください。

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