2011年3月17日木曜日

大学向け「業界研究セミナー」に代わるセミナー提案骨子

3/16、水曜日。

いくつかの大学から企画依頼を受けていた、いわゆる「(学内)業界研究セミナー」の今年版について提案書をまとめる。大学関係者、企業の採用担当者の方もこのブログを見てくださっているようなので、参考までに企画骨子を掲載します。ご参照ください。(社名等、内容一部カット)

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「社会の仕組み理解セミナー」ご提案書
~大学の職業的意義を向上させるキャリアサポート~
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1.就活支援環境の変化
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<日本経団連方針>
・採用広報は(3年生、修1年生の)12月以降
※1dayなどの短期インターンシップも含む
・採用選考は(4年生、修2年生の)4月以降
※採用直結インターンシップも含む

<日本学術会議の文部科学省宛答申(H22,7)>
・就活の早期化、長期化は是正されるべき
・一方で、企業を含めた「外の世界」を知る機会は、むしろ早期からの整備が必要【教育における職業的意義の向上】

<大手就職情報会社>
・就職ナビオープンは(3年生、修1年生の)12月1日(見込)
・合同企業説明会は(3年生、修1年生の)12月1日以降の土日

<経団連・倫理憲章署名企業:927社(10.3)>
・「12月までは、あらゆる学生接点をもたない」…自動車、総合商社など2割程度
・「他社の動きを見てから決めたい」…半数以上
・「全学年対象のキャリアサポートセミナーであれば参加前向き」…2割程度
※2月~3月に企業と接している感覚値
※「あらゆる接点をもたない」としている企業でも「全学年対象のキャリアサポートセミナーであれば、本来は協力すべきだし、したい」という採用担当者も一部いる

<経団連・倫理憲章非署名企業>
・「学生、学校に協力でき、採用広報にもなる学内セミナーには積極的に参加したい」(その術を模索中)
※2月~3月に企業と接している感覚値

【ご提案の方向性】
10月~11月の、企業を招いて行う就職支援セミナーについては(カット)のため、全学年対象のキャリアサポートセミナーとして実施する必要有。また、従来の「業界研究セミナー」とは位置づけも狙いも異なることを示すために、新たなタイトル(セミナー名)が必要。

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2.一般的な「業界研究セミナー」の位置付けと形式、狙い
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<一般的な「就職支援」の範囲>
就活環境説明
就活サイト、イベントの活用法提示
求人票掲示
個別相談対応
自己分析支援
業界研究支援
企業研究支援
職種研究支援
ES対策
筆記対策
面接対策

【狙い】「200万社以上(就職ナビ掲載企業でも1万社以上)」の企業のなかから、まずは「業界」をある程度絞ることが「就活成功」への道筋だと“思われている”ため、業界を絞るための参考
 ↓
【形式】大学内の「業界研究セミナー」では、各業界を代表する企業を招き、1社単独講演形式で業界説明
 ↓
【弊害】企業は採用PR・広報の場として位置付け参加しているため
1)参加企業≒大企業志向の加速
2)業界特性による、自分の「向き・不向き」が分かりづらい
という懸念
 ↓
【就活迷子】
・とりあえずブランド企業へ応募
・業界ごとの向き・不向き不明のまま、いくつかの特定業界に絞って、大企業中心に就活、選考突入
・業界が不向きであることが分からないまま不採用
という悪循環に陥る学生が一定数発生

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3.新たなセミナーの位置づけと形式、狙い
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(これまで⇒これから)
時期:10月~12月⇒10月~12月
対象学年:3年生、修1年生⇒全学年
位置付け:就職支援⇒キャリアサポート(大学における職業的意義の向上)
形式:1社ごとの単独講演⇒短縮版講演+複数企業パネルディスカッション
狙い:業界を絞る参考⇒★


・社会の仕組み理解(「ビジネスモデル」(誰に何をどのように価値提供し利益を得ているか)の理解と、企業同士の繋がり理解)
・業界ごとの「構造的問題」と「働き方の特徴(特に大変さ)の理解
・業界ごとの向き、不向きの大ざっぱな理解、実感
・好きなもの、ことに関わる企業の発見

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4.「社会の仕組み理解セミナー:業界研究編」
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○テーマ・参加企業(想定)
情報を届ける「マスコミ」 ※4社。採用実績企業およびi4取引先を中心に構成
モノをつくる「メーカー1」 ※4社。採用実績企業およびi4取引先を中心に構成
モノをつくる「メーカー2」 ※4社。採用実績企業およびi4取引先を中心に構成
おカネを扱う「金融」 ※4社。採用実績企業およびi4取引先を中心に構成
社会を支える「インフラ」 ※4社。採用実績企業およびi4取引先を中心に構成
楽しさを生む「エンタメ」 ※4社。採用実績企業およびi4取引先を中心に構成
※業界区分は提案用。別途ご相談。

○プログラム(計120分)
・趣旨説明
・業界説明…1社15分×4社。自社が属する業界の「短縮版業界説明」。自社紹介は5分を目安にこの時間内に入れてもらう。
・小休憩
・パネルディス…40分。4社公開インタビュー。進行は i4 伊藤。
・質疑応答

○パネルディス質問内容
・取引業界(営業先、仕入先)
・業界全体の課題
・業界内同業他社と比べての強み
・業界内同業他社と比べての課題
・採用職種
・多くの新卒者が配属される職種の具体的な仕事内容
・その仕事の難しさとやりがい
・活躍しやすい人材像
・活躍しにくい人材像
・学生応援メッセージ


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5.社会の仕組み理解セミナー:商品サービス編
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○テーマ・参加企業(想定)
もう手放せない「ケータイ」 ※4社(開発、電子部品、キャリア、販売代理)。採用実績企業およびi4取引先を中心に構成
思い出づくり「旅行」 ※4社(企画・営業、Webシステム、移動、宿泊)。採用実績企業およびi4取引先を中心に構成
美味しい幸せ「食品」 ※4社(企画・製造、パッケージ、中間流通、小売)。採用実績企業およびi4取引先を中心に構成
※テーマ区分は提案用。別途ご相談。

○プログラム(計120分)
・趣旨説明
・業界説明…1社15分×4社。自社が属する業界の「短縮版業界説明」。自社紹介は5分を目安にこの時間内に入れてもらう。※自社としての主要所属業界について。
・小休憩
・パネルディス…40分。4社公開インタビュー。進行は i4 伊藤。
・質疑応答

○パネルディス質問内容
・テーマの商品サービスが、企画されてから消費者(私たち)の手元に届く(サービス履行される)までの企業間関係を、時系列でインタビュー
Ex,「ケータイ」→新機種のマーケティングは誰がおこなう?開発会社と電子部品会社は関わる?すべてキャリアが仕切る?生産在庫リスクは誰がもつ?販売代理店の売り方にキャリアは口出す?等
・各社の採用職種
・多くの新卒者が配属される職種の具体的な仕事内容
・その仕事の難しさとやりがい
・活躍しやすい人材像
・活躍しにくい人材像
・学生応援メッセージ

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6.役割・費用分担、ご協力要請など
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(カット)

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以上
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職育がはじまる。

大学の職業的意義がかわる。

これまでの、学生がほぼ同時期にほぼ同内容に取り組む“就活”が崩れ、企業の採用活動の時期も手法も多様化する。

「就職・採用・キャリアに特化したファシリテーター」として、この変化の時期に、どんどん仕掛けていく。

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