2011年1月14日金曜日

「企業を含めた『外の世界』を知る機会はむしろ早期から整備していく必要がある」

1/13、木曜日。

千葉大学を訪問。

話題はやはり、日本経団連の方針とその影響について。日本経団連が「新卒採用広報は3年の12月以降」を加盟企業への方針として打ち出す一方で、日本学術会議は「早期化・長期化する現在の就職・採用活動の在り方は改善されるべきであるが、企業を含めた『外の世界』を知る機会はむしろ早期から整備していく必要がある」と提言している(平成22年7月22日「回答:大学教育の分野別質保証の在り方について」要旨ⅳより)。日本学術会議は元々、文科省からの依頼で、そうそうたる大学の理事長や学部長らが100名近くも委員として参加した諮問機関である。文科省は無碍にできまい。文科省も、経団連も、直接の知り合いがいないから内情は分からないけれど(学術会議は数名面識ある方がいる)、さて、どうなることかしら。

そもそも「大学生」の「就職活動・キャリア教育」をひと括りにして「方針」を誰かが打ちだし、皆がそれに沿って動くって、もう、時代遅れではないだろうか。学生自身が「仕事・企業・社会人」に興味を持ったタイミングで自ら動き、仕事や企業のことを知ることは「学業との相乗効果」を生むことはあっても「学業の妨げ」になるとは思えない。学生に対してやってはいけないのは、本人の「まだ見ぬ世界を知りたい!」という欲求を「君にはまだ早い」といって大人側が規制してしまうこと。そして、学生と仕事・企業・社会人との「出会い方」を単一化してしまうこと。一層固定化された「就活(シューカツ)」が出来上がってしまう。

ちなみに、昨年の『仕事研究セミナー』(社会人を学内に招き「仕事」についてパネルディスカッションしてもらう企画。立教大学、横浜国立大学で実施)に参加した1年生のアンケートには「一日一日を大事に生きて、自分をしっかり築いて、2年、3年後にある就職活動につなげたい」「就職にはまだ関係があまりないけれど“熱い思い”を持ち、“目的”を見失わず、“自分から”考え、行動に移すことが大切だということが分かりました」そういう声が多い。学生が早いうちに社会人の声、仕事の具体的な内容を聞くことは、本人を「就職活動」へ向かわせるのではなく、「充実(目的意識と行動)した学生生活」への動機づけとなる。

午後、人材コンサルタント・作家の常見陽平さんと打合せ。いよいよ開催まで1週間をきった、1月18日(火)のパネルディスカッションセミナーについて。知識量、愛、プロ意識、学ぶことがたくさんある。さすがだなぁ。それにしても当日が楽しみで仕方ない。

そうそう、このセミナー、「就活支援者・キャリア支援者向け」としているが、もちろん、学生の方の参加も歓迎である。既に数名の方から申込もある。ご興味があればどなたでも。

※メール転送など、本セミナーの告知を善意でしてくださっている皆様、本当にありがとうございます。

企業経営者、採用担当者、大学職員、大学教員、就職情報会社の社員、キャリアコンサルタント、人材育成系のNPOの方、行政関係者、メディアの出版部の方、学生など、本当に多様な立ち位置の方々からお申込をいただいている。これほど多様な、そして日々学生と向き合っている人たちが一堂に会することはそうそうないと思うので、ぜひ、来場者の方々の声も聞きながら、参加型の場にもしたい(2部は来場者の皆様から頂いた質問を元にしたフリートーク)。私が就職支援・採用支援の仕事を始めて「うわ、すごく本質をついたレポートだなあ」と最初に思ったこの業界の大御所の方も、当日、来場者として参加されるのだ。

夜「明日、急きょ東京出張。新年会やりませんか?」というお誘い。
もちろん参加予定。

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