2011年2月22日火曜日

企業選びのベター

2/21、月曜日。

某社説明会のファシリテーション。

この企業は既に社員が数百名の企業規模になっているが、毎回、創業社長が会場まで足を運んで学生に語りかけている。休憩中、この社長と毎度、すれ違う程度の時間があるのだが、基本的には当日出演している社員(私が公開インタビューする社員)と社長とのコミュニケーション時間に充てられている。

が、今日はちょっとしたタイミングがあったので、以前から聞いてみたいことを聞いてみた。「尊敬する経営者はいらっしゃいますか」と。お返事は「人として尊敬している経営者はいるが、経営者として尊敬している人はいない」とのこと。そこからスケールの大きな話になり、愕然とする話も聞いたのだが、ここには書けない内容だった。すごいな。

・・・・・・

(この社長も学生向けに伝えているが)日本の平均寿命は伸び続け、定年も同時にあがりつづける。また、日本は諸外国と比較して「定年後も働き続けたい」と答える人が多いのが特徴的であり、その理由が、収入面以外の要素が高いことも注目ポイントである。

2006年の高年齢者雇用安定法改正による各企業の雇用制度見直しで、既に多くの企業が(再雇用というかたちで)65歳定年になり始めている。そして各書籍を読んでいると、70歳定年になる確率も高いようである。

仮に大卒新卒ですぐに働き始め、70歳定年とすると、約50年。

50年後。

……分からないよなぁ、50年後に強い会社、伸びている会社、憧れられている会社なんて。ちなみに、日本の65歳以上人口比率は、2060年には40%を超えているらしい。

そんな50年後のことを、就職という岐路に立っている個人として考えるのであれば、就職後に自分の能力を高め、必要とされる存在(一人でも食べていける存在)になることが重要になるわけであるが、能力は(会社員として働く限り)「自分はこの能力を伸ばすためにこの仕事だけきっちりやる!」と線引きした瞬間に伸びなくなるという矛盾を内包する。誰も見ていない、誰も評価しない、けれど誰かがやらなくてはならない仕事を実はこっそりやっている人に仕事が集まるようになっているから。結局は誰かが見ている、または誰にも見えているわけで。

何度も書いているが、危険なのは「大企業に正社員で入社できれば安泰」と思っているパターンである。入社後に「これじゃダメだ」と気づき、変われれば救いがあるのだろうが、経験上、大企業ほど「責任とる覚悟で真剣に仕事している優秀な人たち」と「フリーライダー」両方が存在している。問題なのは、その比率と、上司がどちらになるか分からないことである。

そんなことを考えると、社長の話、理念に共感でき、社員と話をしてみて「この人たちと一緒に働きたい!」と思える、「人」軸での企業選びが、結果的に自分の能力を伸ばしてくれ、50年後にも力強く歩むための、ベターな選択である気がしている。

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