2010年12月9日木曜日

面接官の本音

12/8、水曜日。

立教大学「仕事研究セミナー」池袋キャンパスの最終回。400名くらい来てくれたのかな、皆さんありがとうございました。

テーマは「面接官の本音」。セガサミーグループ、全日本空輸(ANA)、テプコシステムズ(東京電力グループ)、三菱電機ビルテクノサービスの4社の採用担当者さんのパネルディスカッション。

うん、最近よく言われる“茶番”面接なんて誰も望んでいない。学生が「面接官の視点」「面接官そのもの」をもっと知れば「いかに相手にウソをつき通すか、いかに自分を“盛って”見せるか」みたいな茶番は生まれないと思うのだ。

貸し出しDVD用や、学校広報用など、撮影も多数入っていたにも関わらず、パネラーの皆さんが、ぼかさず、真摯に応えてくださったことに感謝。

以下、内容一部をフィードバック(要約。企業の発言順ではありません、念のため)。

Q.そもそもどうして新卒採用をするのか?

・「先輩社員たちにとっての成長機会」
・「斬新な発想、チャレンジ精神の注入」
・「同期の絆を通じて全社としての一体感」
・「イチから教育することで一人前に育てる、だからできる仕事がある」

Q.魅力的な学生とそうでない学生の違いは?

・「自分できちんと考えて、やりきったことがある人」→「『自分にはないなぁ…』と自信をなくす学生はどうすればいい?」→「いや、20年生きてきたのだから、誰でも必ず一つはある」
・「自己分析を通じて、自分の良さ・強みを、当社のどの仕事でどのように生かしたいか、がはっきりしている人」
・「譲れない価値観、ブレない軸、をもっている人」→「それが分からない、と困っている人はどうすれば?」→「オススメは、友人でもご両親でもいいので、クチに出して言い合ってみること。クチに出すと、自分の価値観が理解できてくる」
・「目標をもち、達成するためにあれこれ工夫して行動し、壁を乗り切った経験がきちんとある人」

Q.面接で見ているのは「過去の行動・事実」それとも「これから何をしたいのかという未来」どちら?

・「学生は『仕事の本当のところ』は分からない。だから過去の行動、工夫したこと、考えたことを中心に聞いて、自社で活躍するかを想像する」
・「私は学生がイメージしている『仕事』が『夢みる』レベルでもいいと思っている。業界研究、企業研究したうえであれば。それで『何をしたいのか』を聞き、自社に合うかをみている」

Q.第一印象って評価にどの程度影響する?
→挙手で「第一印象だけで『あ、この学生はムリだな』というのが分かりますか?」と聞いたところ、4名中2名が挙手。

・「『通る学生』は第一印象では分からないけれど、『ムリだな』は分かる。きちんと、言ってみれば気合をいれて選考に臨んでいるか否かの差」
・「入社後の仕事は、印象が重視される仕事ではないので、第一印象だけでは判断しない。不快感を与えない印象、服装、振る舞いでなければ評価とは関係ない」
・「緊張するのは当たり前。緊張したからと言って、評価が下がることはない」
・「元気で笑顔、であれば良い」

Q.応援・アドバイスメッセージ

・「くじけるな。大変なことがいろいろあっても、くじけるな」
・「見ず知らずの人が書いたWEBの噂に振り回されないでほしい。自分で確かめ、自分を信じること」
・「恥ずかしがらないこと。面接は自分をPRする場。自分の話は『PRになっているか』を常に考えて面接に臨んでください」
・「意欲、経験、知識、自信。意欲をもって経験すれば、知識が拡がる。そして自信がつく。社会人でも活躍するのは『素直で謙虚な人』。素直で謙虚であることを忘れず、意欲をもってたくさんの経験をしてください」

・・・・・・

学生アンケートには「面接官といっても考え方って違うんですね」というコメントも多く、その点を理解してくれただけでも安心した。「皆さんの話、本当にタメになりました!ただ、これを全て鵜呑みにすると、それこそ『マニュアル化』してしまうと思うので、改めて自分なりに考えて行動します!」というコメントも。嬉しいな。

終了後、企業の皆さんと懇親会。また飲みすぎた、はしゃぎすぎた。

帰り際、ある方にこう言われた。

「うちの会社で採用できる学生って、何十万人の就活生のなかのたった数十名じゃないですか。でもね、採用担当の仕事をしていて、本当に心から、一人でも多くの学生に『厳しい現実にぶち当たっても、くじけずに就職してほしい!』って思うんです。『負けるな!』って。だから伊藤さん、一人でも多くの学生にとって、役立つセミナーがあれば、いつでも協力します。声かけてください」

こういう「面接官の本音」は、学生の前で言うとカッコ悪いけど、学生のみんな、結構多いのよ、こういうステキな大人。それは知っておいてほしいな。

3時帰宅。

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